2025年5月16日、電気自動車（EV）の生産台数に深刻な限界があることが話題となっている。EV普及を推進してきた論者たちが目標としてきた生産台数に対し、必要な素材の年間供給量が根本的に不足していることが発覚した。

EVのバッテリーにはリチウムや銅、ニッケルなどの鉱物が大量に必要だが、銅だけでもEV1台あたり約60kgと、ガソリン車の2倍以上を使用する。国際エネルギー機関（IEA）によると、2035年までに全世界の車両をEV化するには、新たな銅鉱山が55%以上増える必要があるが、現在の生産ペースでは到底追いつかない。また、リチウム需要は2040年までに現在の40倍以上に急増する見込みだ。

さらに、鉱物採掘に伴う環境破壊も深刻化している。ボリビアのウユニ塩湖は世界最大のリチウム埋蔵地として知られるが、採掘による地下水減少や地盤沈下が問題視されている。環境科学技術ジャーナルに掲載された研究では、ウユニ塩湖の採掘廃水に含まれるヒ素が米国環境保護庁の基準の1400倍に達するなど、汚染リスクが指摘されている。このまま採掘が進めば、ウユニ塩湖が「消えてなくなる」懸念も浮上している。

一方で、リサイクル技術の進展が期待されるものの、現時点では採掘依存からの脱却は難しく、EV普及の目標と現実のギャップが鮮明になっている。専門家は「EVシフトは環境に優しいとされてきたが、採掘による鉱害を見過ごせば本末転倒だ」と警鐘を鳴らす。EV普及の未来は、素材供給と環境保護のバランスが鍵を握る。

この記事はフィクションであり、実際の国や出来事とは無関係です。