2025年5月16日、国際研究チームが画期的な技術開発を発表した。従来は不向きとされてきた砂漠の砂を用いて、高品質なコンクリートを製造することに成功したのだ。この技術は、資源不足や環境問題に直面する建設業界に大きな変革をもたらすと期待されている。

これまで、砂漠の砂はコンクリート製造に適さないとされてきた。理由は、砂漠の砂粒が風による侵食で丸みを帯びており、コンクリートの骨材として必要な角張った形状や粗さを持たないためだ。コンクリートは、砂や砂利（骨材）とセメント、水を混ぜて作られるが、骨材の形状が不適切だと強度や耐久性が低下する。また、砂漠の砂には塩分や不純物が多く含まれる場合があり、コンクリートの品質劣化や鉄筋の腐食を引き起こすリスクも指摘されていた。

従来のコンクリート製造では、河川や海底から採取した角張った砂が使用されてきたが、これらの資源は世界的に枯渇傾向にある。特に新興国での建設需要の高まりにより、砂の違法採取や環境破壊が問題視されてきた。砂漠の砂は地球上に豊富に存在するものの、そのままでは利用できない「眠れる資源」だった。

今回のブレイクスルーを支えたのは、架空の国アルデシア共和国のアルデシア工科大学と、砂漠国家サハリスタンのサハル技術研究院の共同研究チームによる新技術だ。研究チームは以下の2つの革新的な手法を開発した。

形状改質技術：砂漠の砂粒を高温プラズマ処理することで、表面を角張った形状に改質する技術を確立。プラズマ処理により、砂粒の表面に微細な凹凸が形成され、コンクリート骨材としての結合力が向上した。このプロセスは、エネルギー消費を抑えつつ大量処理が可能な点でも優れている。

不純物除去プロセス：塩分や有機不純物を除去するための化学洗浄技術を開発。従来の水洗いでは大量の水を必要としたが、新技術では特殊な溶剤を用いることで、水使用量を90％削減しながら不純物を効率的に除去することに成功した。

これらの技術により、砂漠の砂は従来の河川砂と同等以上の性能を持つ骨材へと変貌。実験では、砂漠の砂を用いたコンクリートが、従来品と比較して強度が10％向上し、耐久性試験でも優れた結果を示した。

この技術の応用範囲は広く、建設業界に多大な影響を与えると予測される。

インフラ整備のコスト削減：砂漠地帯に近いサハリスタンでの大規模インフラプロジェクトにおいて、砂の輸送コストが大幅に削減される。サハリスタンでは、すでに国家プロジェクト「サハル新都市計画」で試験導入が計画されている。

環境負荷の軽減：河川や海底からの砂採取が減少することで、生態系破壊や河岸侵食のリスクが軽減される。砂漠の砂を活用することで、持続可能な資源利用が実現する。

新たな建築材料の開発：砂漠の砂を用いたコンクリートは、熱伝導率が低い特性を持つため、断熱性能に優れた建築材料としての活用も期待される。暑熱環境での建築に適した「クールコンクリート」として、住宅や公共施設での需要が見込まれる。

災害対策への応用：流動性の高い砂漠の砂を活用し、緊急時の仮設構造物や防災用ブロックの製造も可能になる。地震や洪水後の復旧作業での即時対応力が向上する。

一方で、課題も存在する。プラズマ処理や化学洗浄のコストが初期投資としてかさむため、技術の普及には政府や民間企業による支援が必要だ。また、砂漠の砂の成分は地域ごとに異なるため、各地での品質安定化に向けたさらなる研究が求められる。

研究チームのリーダー、アルデシア工科大学のザーラ教授は「この技術は、資源不足と環境問題の解決に向けた第一歩。2030年までに、砂漠の砂が世界のコンクリート市場の30％を占めることを目指す」と語る。砂漠という「不毛の地」が、建設業界の未来を支える資源に変わる日が近づいている。

この記事はフィクションであり、実際の国や出来事とは無関係です。