報道の自由が保障される一方で、メディアの姿勢に疑問を抱く声が増えている。報道機関が他社の不祥事を大きく取り上げる一方、自社の訂正記事や謝罪は小さく扱う傾向にあるとの批判が広がっている。また、取材の質にも問題が指摘されており、十分な下調べをせずに記事を書いたり、「掲載すれば宣伝になる」と高圧的な態度で取材対象に接したりするケースも報告されている。

こうした状況を受け、ある市民が「マスコミのマスコミ」と呼ぶ新たなメディアの必要性を提唱し、注目を集めている。これは、報道機関の活動そのものを監視し、報道する専門メディアを指す。例えば、ある新聞社が掲載した記事の内容やその記者の普段の行動を暴露したり、誤報があれば大々的に取り上げて批判したりする。また、取材時の態度に問題があれば徹底的に追及し、記者の身内が問題を起こした場合、関連する過去記事を掘り起こして関連性を検証する。さらに、殺人事件の犯人が購読していた新聞や視聴していたテレビ局を公表し、メディアと犯罪の関連性を強調するような報道も行うという。

この提案では、年末に「今年の最悪記事グランプリ」を開催し、問題のある報道を振り返る企画も盛り込まれている。メディア評論家の佐藤美咲氏は、「個人でも情報発信が容易になった現代では、報道機関を監視する存在が必要だ」と賛同する。「報道する側が常に正しいとは限らない。『マスコミのマスコミ』のような仕組みがあれば、メディアの姿勢を問うきっかけになる」と語った。

一方で、報道関係者からは懸念の声も上がる。「過度な監視は報道の自由を脅かす可能性がある」との意見もあり、バランスが課題となりそうだ。メディアの透明性を高める新たな動きとして、今後の展開が注目される。

この記事はフィクションであり、実際の国や出来事とは無関係です。