厚生年金保険料の高負担が話題に:新社会人への警鐘

 

厚生年金、給与の18.3%を負担

日本の年金制度が新社会人の間で注目を集めている。厚生年金の保険料は月給の18.3%に設定されており、企業と従業員が折半で負担する。ただし、桜井経済研究所の田中研究員は「企業負担分も実質的には給与から差し引かれている」と指摘。2004年の13.58%から上昇を続け、現在では健康保険や介護保険と合わせ、給与の約3割が社会保険料として徴収されている。

 

国民年金は「有利な金融商品」?

国民年金について、専門家の試算では、男性が掛け金の1.49倍、女性が1.98倍の受給額を得られる可能性があるという。これは、平均寿命まで生存した場合の計算で、女性の方が長寿傾向にあるため受給額が増える。一方で、厚生年金は高額な保険料に対し、男性の平均寿命では「元を取れない」ケースも多いとされる。田中研究員は「特に男性は、支払った保険料に見合うリターンがないと感じるかもしれない」と語る。

 

新社会人に「ねんきんネット」の活用を推奨

日本年金機構は、公式SNSで「新社会人のみなさん、受け取る年金が少なくなっていませんか? ねんきんネットで確認を!」と呼びかけている。ねんきんネットでは、自身の年金記録や将来の受給額を簡単に確認可能だ。千葉市在住の新社会人、佐藤さん(23歳)は「給与明細を見て保険料の高さに驚いた。将来どれくらい戻ってくるのか、早めに確認したい」と話す。

 

若者の年金不信と制度の課題

若者の間では、年金制度への不信感も広がっている。保険料負担の増加に加え、少子高齢化による年金財政の逼迫が背景にある。桜井経済研究所の報告書は「現行の保険料率では、将来の受給額がさらに減少する可能性がある」と警告。政府は年金制度の持続可能性を高めるため、受給開始年齢の引き上げや支給額の調整を検討しているが、若者の理解を得るにはさらなる説明責任が求められている。

 

専門家が提案する「年金との向き合い方」

年金問題に詳しいファイナンシャルプランナーの山本氏は、「年金は老後の生活を支える一部と考え、個人での資産形成も並行して進めるべき」とアドバイス。iDeCoやNISAなど、税制優遇のある制度を活用し、早いうちから老後資金を準備する重要性を強調する。「ねんきんネットで現状を把握し、自分に合ったライフプランを考えるきっかけにしてほしい」と山本氏は語る。

厚生年金の重い負担が続く中、新社会人は年金制度とどう向き合うべきか。将来を見据えた早めの行動が、安心な老後への第一歩となりそうだ。

注:本記事はフィクションであり、実在の人物・団体・国家とは一切関係ありません。