エリシア共和国に拠点を置く公的機関「電子通信ネットワーク機構（通称：電通）」が、突如としてネット上の陰謀論の渦に巻き込まれている。事の発端は、匿名掲示板「EriLeaks」に投稿された「電通はあらゆるメディアを牛耳り、国民の脳までハックしている！」という過激な主張だ。この投稿が瞬く間に拡散され、今や「電通、入ってる」なるフレーズがSNSでトレンド入りする事態に発展している。

この陰謀論によれば、電通は単なるデジタルインフラや通信技術の管理機関にとどまらず、テレビ、新聞、ネット配信サービス、果ては有名人の葬式に至るまで、ありとあらゆる場面に「電通の影」が潜んでいるとされる。ある投稿者は「先週の国民的歌手エリカ・スターの葬儀、あれも電通が仕組んだ演出だ！ 棺桶のデザインに電通のロゴが隠れてた！」と根拠のない主張を展開。さらに、「パソコンのCPUに電通製の秘密チップが埋め込まれていて、ユーザーの思考を監視してる」とのデマまで飛び出し、ネット民の想像力が暴走中だ。

驚くべきことに、この荒唐無稽な陰謀論を一部のテレビ局が取り上げ、事態をさらに過熱させている。エリシアの人気トーク番組「真相トーク！」では、司会のタケシ・ヤマモトが「電通の技術が我々の生活にどれだけ浸透しているか、考えてみよう！」と視聴者に呼びかけ、専門家らしき人物が「電通の通信網は、理論上、国民のSNS投稿をリアルタイムで操作可能」とコメント。これが視聴者の間で「やっぱり電通、入ってる！」と受け止められ、SNSでは「#電通の陰謀」がトレンド1位に躍り出た。

SNS上では、陰謀論を信じる派と嘲笑う派で大論争が勃発。「電通が入ってないものなんてある？ 俺の朝ごはんのトーストにも電通のコードが刻まれてた！」と冗談を飛ばすユーザーもいれば、「これマジで怖いんだけど、電通がWi-Fi経由で夢まで操作してるらしい」と本気で怯える声も。一方で、「こんなバカバカしい話、信じる方がどうかしてる」と冷ややかな意見も飛び交っている。

電通は公式サイトで「当機構は公共の通信インフラを管理する機関であり、陰謀論に記載されたような活動は一切行っておりません」とキッパリ否定。「CPUに秘密チップ？ 葬式の演出？ そんな技術も予算もありません」とユーモアを交えたコメントを発表したが、これすら「電通の隠蔽工作だ！」と陰謀論者に火をつけてしまった。

この陰謀論、どこまで本気で信じられているのかは不明だが、ネット上では「電通、入ってる」をネタにしたミームやパロディ動画が急増中。あるユーザーは「電通が入ってるかどうかを確かめる方法：鏡に向かって『電通、入ってる？』と3回唱えると、電通のエージェントが現れるらしい」と投稿し、10万いいねを獲得。エリシア共和国の若者たちの間で、このフレーズはもはや流行語と化している。

果たして「電通、入ってる」はただのネタなのか、それとも深い闇が隠されているのか？ 真相は…おそらく、ただのネットミームだろう。だが、エリシアのネット空間はしばらくこの話題で盛り上がりそうだ。

※本記事はフィクションであり、事実に基づくものではありません