自分以外はバカ

記入日:2003/09/09

AERA(最新号じゃない)という雑誌に「自分以外バカの時代」という見出しで面白い文章が載っていた。常に自分が正しくて、自分の中のルールが侵されると激怒する人たちのことが書かれていた。そう、そうなんだよね。そういう人っているよねと思うけど、そう思っている時点で自分は違うと思っているのが怖いけど。まぁ、人間少なからずそういうところがあるわけで、それの大小なんだろうけど、どうも最近常軌を逸した人をよく目にする。

飛行機に乗って客室乗務員に荷物を入れるのを手伝ってと言われ、後でその乗務員にビンタを食らわせて土下座しろと言い出した人なんかが例として挙がっていた。ある人の分析によれば、勝ち組と負け組がハッキリしたもんだから、負け組が勝ち組に憂さを晴らすにはそういう「客」という立場で「企業」を相手にするのだという。同時に、客であればその空間では全てが許され、そこにいる間に不快にさせられたら相手に何をしてもいい感覚といったようなことが書かれていた。

こういうのはパソコンのサポートなんかに多いだろうなと思いながら読んでいた。「バカの壁」も、もしかしたらこんな常軌を逸した人たちが読んで、「そうよね。もう私の周りはバカばっかり」なんて思っているのかも。いや、むしろ、バカじゃない人よりバカな人の方が買っているのかも。勘違いによる優越感に浸るために(?)。ん? その前にバカは人の意見や話しを聞かない=人の意見など関心がないからバカなのでは? と思わなくもない。つきつめれば、バカの定義というやつに困る。私だって、特定の分野において、ある人と比べてバカだと言えるし。まぁ、ここで挙がっているのは人格的な問題だろうけど。

あ、でも、そういやぁ、バカにはある種の定義があった。「自分がバカだと気づかない限りバカは永久にバカである」。なぜなら、自分の愚かさに気づかない故にバカなのだから。

バカの壁

この間、話題の「バカの壁」を読んだ。思っていたより、傾きのある本だと思った。なんと言うか、冷静な分析だけが書いているのかと思っていたが、冒頭のNHK云々から著者の思考というか嗜好が前に出ている気がした。気になったのは、この「壁」の話を持ち入れば、アメリカとイラクがなんで戦争するのかもわかるといった感じの、これさえわかればみなわかる的な発想が少なからず感じられたのが鼻についたこと。

それと比較するのもあれだが、今日読み終えた「こころの天気図(河合隼雄)」は対極的に随分と客観的で、なんと言うか論点の間を取ったような内容だった。まぁ、本人が言うように「難しいですねぇ」で誤魔化しているようなところが多いからかもしれないが。個人的な嗜好で言えば、無理に論を押すことのない後者の方が好みではある。が、好きとまではいかない。嫌な男だ、私は。

しかし、今日は寒かった。クローズアップ現代で甲子園(高校野球じゃないよ)の特集、スーパーテレビで星野監督の特集と、テレビの方は私的には熱かったけど。

 

ランダム・ピックアップ