秋の粉雪
ふと、窓の外を見ると何やら塵のようなものがゆっくりと幾つか落ちていた。粉雪だろうかと、今はまだ十月だということも忘れて思い、そういえば今朝は寒かったもんなと、早い冬に思いをはせた。一瞬だけ。
よく見ると、それは雪ではなかった。蚊のような虫が集団で上下しているに過ぎなかった。夕方になると大量発生し、自転車通学をしていた頃には、その中に突っ込んで嫌な思いを何度もしたあの虫の集団だった。そこで一句(俳句の心はよく分からないけど)。
粉雪に 冬を思えば 秋の虫
今さらジロー
実は最近になって初めてぼうふらが蚊の幼虫であることを知った。もしかしたら忘れていただけかも知れないけど。正直な話、結構な驚きと知らなかった自分への情けなさもあった。
驚きのレベルも、タラバガニが蟹の仲間ではない(タラバガニ科のヤドカリ類。形はカニに似ており、貝殻に入らない)。今売られている浅草のりは商品名であって、浅草のりという品種名ではない(厳密にはそうらしい)ということを知ったくらいの驚きだった。
知識の穴というものは誰にでもあるような気がする。あって当たり前に扱われる知識が抜けていることに気づいたとき、恥ずかしいと同時にそれで恥をかかなかったことにホッとする。そして、今さら気づいたことを胸の奥に閉まっておく。
または、自分の不幸を笑いのネタにするお笑い芸人のように、話のネタにする場合もある。ただ、その場合、どんなことに改めて気づいたのか、ということが重要だ。私には最近になって今さら気づいたが、今さら過ぎて言えないことがある。
それは、ドラゴンボールに出てくるサタンの娘のビーデルは、父がサタンだけあってデビルをもじった名前なのだということだ。
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