ニューシネマパラダイス

記入日:2004/01/06

映画の解説者が「今まで観た中で一番好きな映画は?」と聞かれて、「ニューシネマパラダイス」と答えているのを何度か見たことがある。そう言われるだけの映画だと観て思った。確かに「そう言われるだけの」映画ではあるが、映画に対してよく使われる「すごい!」という褒め言葉は不似合いだ。何か気持ちの深いところを撫でられるような、そんな映画だと私は思う。

多くの映画関係者がこれを好きだと言うのは、おそらくこの映画が「映画を撮ったもの」だからだ。深い意味で。彼らは、この映画に出てくる映画好きの少年と自分を重ねることができ、その言動のひとつひとつに共感できるのではないだろうか。それが彼らが好む理由の最たるもののような気がする。

物語はキスシーンを上映できなかった時代、田舎町の映画館「シネマパラダイス(焼失後はニューシネマパラダイス)」を中心に展開する、ひとりの映画好き少年のオッサン映画技師との交流、そして恋と成長を描いたものだ。平均的な男の子が辿る成長過程は何処も同じなのか、海外の作品とは思えないほど共感できる。

ダンサーインザダーク

この間ビデオに撮ったのを観た。最初、画面の揺れを心地悪く感じ、開始数分で観るのをやめたが、酒を飲みながら暇つぶし程度に観ていると徐々に面白くなってきた。映画のタイトルどおり、主人公がダンサー(素人劇団の?)でところ構わず踊る。いや、それがミュージカル映画なんだろうが。

話のほうは遺伝により盲目になっていく主人公が、やがて盲目になる彼女の息子のために手術費を貯めるが、そのお金を友人に取られてしまうところから大きく展開していく。鑑賞後はきっと、やりきれない想いが残るだろう。そういう映画だと思う。

主人公の彼女はいわゆる「いい人」であって「頑張り屋」でもある。薄幸という言葉がよく似合う苦労人でもあるが、私はあまり好きになれない。それはたぶん、「踊り」というものに対する彼女の態度が気にくわないからだろう。決して不美人だからではない。

これを観終わった後、前に付き合った保育士の女性がこの映画を勧めていたことを思い出した。彼女が勧める理由のようなものを、「赤ちゃんを抱きたかったの、この腕に」という台詞を聞いたとき、わかった気がした。

 

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