美味しんぼ 器対決!

記入日:2004/03/02

言わずとしれた究極対至高の対決、器対決という今までありそうでなかった対決が88巻に載っていた。美食倶楽部の部下が引き抜かれるという雄山の危機を観て、47巻~結婚披露宴~ 巻末の著者と原作者のインタビューを思い出した。

強敵が現れて山岡夫妻も雄山も窮地に陥ると原作者が言っているアレだ。てっきり、その強敵が現れたのかなと思いつつも、それにしては敵と思しき人物が型どおりの俗物だなと疑問を持ちながら読むと、何の事はないいつものエピソードだった。まぁ、山岡が雄山に気を遣っている比較的珍しい回ではあるが。

あのインタビューで広げた風呂敷はいつたたむのだろうか、それとも、もうとっくの昔に忘れてしまったのか、それをやったら終わってしまうのでやれないのか……。正直、料理の話よりもそっちが気になっている。熱心に読んでいるわけではないけども。

そして、最後は山岡と雄山が和解し、「家族みんなで食べるご飯が一番美味しいね」「これぞ究極」「これぞ至高」なんてオチで終わるのではないかという『危機感』のようなものをいまだ持っている。48巻が家族団欒だけに……(家族団欒こそ最高の調味料なんて台詞もある。いや、究極を求めるならば空腹こそ最高の調味料と言い、絶食の日々を送ってほしい)。

それはそうと、グータラの山岡さんは作物の育て方にも詳しいが、その手間暇かけて作った作物をたいした仕事もしないで食っていた頃、罪悪感というものを抱くことはなかったのだろうか。一生懸命働いた農家の収入が新聞社(大手、だよね?)のグータラに及ばない理不尽さに……。

ブラックジャックによろしく

最新刊を読みながら、ちょっと涙ぐんでしまった。ここ数年、急激に涙もろくなってきたなぁ~っとしみじみ思う。帯に書かれた「ブラックジャックによろしくが描いた矛盾と問題点が次々変革」というのを見て、札幌の病院で研修医の扱いが変わったニュースを思い出した。

あのニュースを聞いたとき、真っ先にこの本の主人公のことを思い出した。ただ、本でやったから変わったのか、たまたま変わる時期が本と重なったのかは不確かな気もするので、「いいのかなぁ~、こんな大々的に書いちゃって」と少し思ってしまう。

 

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