「馬鹿」の使い方

記入日:2003/10/20

馬鹿だ、馬鹿め、馬鹿じゃないのか等々。よく他人を馬鹿にする言葉を見かける。正直言って、見ていてあまり気分の良いものではないが、書いている本人は他社を見下すことによって気分がいいのかも知れない。

その馬鹿という言葉の使い方について考える。例えば、とある専門知識を知っているAさんが、それを知らないBさんを馬鹿だと言うとする。でも、BさんはAさんの知らない知識を持っている。Aさんの知らないから馬鹿だ的な考え方を用いるなら、BさんはAさんを馬鹿にしていいことになる。これは不毛だ。

人は誰しも知識の穴があり、知らないことは恥ずべきこととなる場合があるかも知れないが、だからといって馬鹿だと言っていいものか。知識のあるなしで馬鹿という言葉を使うのは問題がある。同じように、常識という言葉も知識のあるなしで使われている。常識がない=当たり前の知識がないことになっている。馬鹿も常識も、もっと倫理的な意味で使われるべき言葉だという気がしないでもない。

オトナ帝国の逆襲

と、堅い話はここまでにして、ここからは感想文である。私にはレンタルしようか迷っていた作品が二つある。ひとつは仲間由紀恵主演の「TRICK劇場版」、もうひとつは「クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶモーレツ!オトナ帝国の逆襲」である。話が変わりすぎだという突っ込みは遠慮しておく。

前者はテレビの深夜枠でヒットして映画化&なんかチープな感じが良かったので気になっていた(テレビドラマは見たことがないけど)。後者は映像関係者の評価が高いことと、テレビアニメは子どもに見せたくない番組で上位なのに、映画では文化庁の賞を受賞しているギャップから気になっていた。そのふたつを土日、テレビで見られたのが嬉しかった。TRICKは地味なおもしろさにひかれ、しんちゃんは笑いと涙の狭間に揺れた。

リービングラスベガス

何年ぶりだろうか、リービングラスベガスという映画を見た。平たく言えば、ラスベガスに飲んだくれて死にに行く話である。高校生のときに見たときは退屈な中に染み入る何かを感じる映画だった。今は、どうしても札幌時代の自分と重ね合わせてしまい、妙な感慨にふけってしまう。

アル中で死のうとしている好きな人にあるプレゼントを贈るシーンが今も昔も一番印象的である。アル中の恋人に酒をやめろと言わない、売春婦の恋人に仕事を辞めろと言わないことがどういうものなのか、昔よりもわかるようになったというのは悲しいことかも知れない。

 

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