イラク戦争 検証と展望

記入日:2003/10/21

「イラク戦争 検証と展望」というのを読んでいる。40名の論者がイラク戦争を検証という代物なのだが、最初の人の文章を読んだときに何かこうブームに乗って出る本のような感じを受けたせいか、あまり読む気がしなかった。それでも半分は読んだが、どうも読みづらいというか何というか。その原因のひとつには、40名もの人がそれぞれの視点で論じているせいか、似たような文章を繰り返し読むことになり、同じ説明をまた受けている感じがすることがある。ただ、興味深いものもあった。アメリカ人がアメリカ国旗を掲げる理由がそれである。よく読めば、他にもあるかもしれないが、どうも戦争後に反戦文章を寄せ集めて売ろうという感が否めいない(引用文が多いことだし?)。

フセインはイラクのフタだった

イラク戦争という本のことだが、全部を読み終えてみて改めて、自分はこの寺島氏の文章が気にくわないのだと思った。読む気が失せたのは彼の思考が私に合わなかったことと、繰り返し見てきた感のあるイラク戦争におけるアメリカ批判が繰り返されていたことだろうか。そこに新たな情報を求めたため退屈に感じたのかも知れない。

アメリカ人が国旗を掲げる理由について興味深いと昨日挙げたが、そこに兵士になると国籍が三年でとれるといったことを書いておけば良かったかなと少し思っている。ただ、だからといってその点に関して詳しく書こうという気にはなれない。ちょっと、面倒だから。

他に注目したのはフセインはイラクのふただったというような話。元々問題の多いところで、独裁者ではあるもののフセインがいることで争いへのふたにはなっていたと。それがなくなったために色々と問題が起こっているようなことが書かれてあった。まぁ、その問題の多くも西欧列強がかき回したことによるものが多いのだろうが。ここは半分眠りながら読んだので少し違っているかもしれない。

現地ではジャーナリストは金持ちだと思われていて狙われるとか、フランス人NGOがレイプされたとか、そういったあまり入ってこない情報もあった。最後の討論では藤原氏の意見に目を引かれる。てっきり馴れ合いのような反戦討論かと思いきや、今までと違った角度からの発言があって考えさせれた。「犠牲者の視点から見ること自体が平和へのメッセージだと考えるのはおそらく間違いだと思います」なんて発言だけを見ると過激な感じもするけど。

メディアに関しては李氏の『日本などのアジア媒体で根強いのは「不偏不党」の「神話」を掲げて「偏向報道」をやる。アメリカは「わが社は民主党支持」を明示した上でバランスをとるから、ある程度のリテラシーがあれば、その報道がどのような立場のものかわかりやすい』というのに共感するところがあった。イラク戦争に関しては読売と朝日が対極的だった気はするが、例えばスポーツ新聞でどこの野球チームをひいきにしているのかわかると、そのスポーツ新聞を間違った読み方で読むことがないように、一般紙にもそのような立場明示を求めたい。難しいだろうけどね。それはそれで、公平性への問題も出るのかな?

最近どうも深夜放送に驚かされる。政府よりのはずのNHKの深夜放送「あすを読む」で使われるイラストの、あの毒々しさは何だろうか。この間のブッシュ大統領にイラク復興資金を渡す小泉首相の図は、まるで悪代官と越後谷のようだった。昨日は昨日で、世界潮流という番組で日本アニメ業界の貧困ぶりが話されていて驚いた。後半部分しか見なかったが、この番組で取り上げていること自体驚きだった。

 

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