責任なき自由

記入日：2003/11/25

「ひとりの勝手はみんなの迷惑」年金ポスターに書かれた言葉である。用事があって役所に行った際に、横並びにいくつも貼られた年金ポスターを見た。他にも、後で泣いても知らないよ、年金が貰えないなんて誰が言ったの的なものもあった。まるで、納めない者は犯罪者のようである。

ちょっと待ってほしい。貰える貰えないの問題ではなく貰える額が問題であり、その額により後で泣きそうなのである。ひとりの勝手はと言うのであれば、年金官僚の資金運用やその他諸々はどうなんだと思いたくもなる。納めよと言う前に、我が身（その制度と関わる者）を振り返ってほしい。納めよと言うのはその後だ。

なまじ国がそのように書くせいか、新聞の投書で「年金未納のことを若者のモラル低下と考える老人」が出てきたりする。当然のごとく、論点が違う、納めた以上の年金を貰っている人の弁などという反論があった。

そのご老人にしてみれば、詳しく知らないので自分が貰えたから子供たちも貰える、もしくは貰えないかもしれないけど、とりあえず彼等が納めれば自分が生きてるうちは安泰と思っているような気がする。あの世代には国への絶対的な服従にも似た信頼を持つ人もいるが。

どうも「若者けしからん調」で自己満足というか、問題は全て解決したように考える年輩の人が増えた気がする。世の悪は若者にあり、そう愚痴って本人がすっきりするだけが目的なら、公共の場にしゃしゃり出てきてほしくはない。

職業マンガに補助金を

話は変わり、だいぶ前のフォローをします。以前、職業マンガに補助金を、マンガによて若者に定職に就く意識の向上をと書いた。ただ、キャプテン翼を見てＪリーガー的な流れはサラリーマンには期待できない。他の職種も、格好良く書きすぎて現実とのギャップに耐えかねて辞めていっては何にもならない。

でも、そこに理想像となる存在があれば、理想のために頑張れるところもある気がする。なりたい職業の一位が公務員の時代ではあるが。日本のロボット開発が進んだ要因に「アトム」があるように、理想像を見る必要性がある気がする。尊敬する先輩社員というのになかなか出会えないのならなおさら。

前に書いた「職業マンガで定職志向に」の補足。思えば、これと似たような例が過去にある。悪しき例だが、戦意高揚映画がそれだ（音楽もあったかな）。過去にと書いたが、いまだにそれをやっている国もあるな。「偉大なる将軍様～」ってな感じで。

話を戻す。政府からの補助金のようなものをと書いたが、企業からの資金という手もあるなと思った。特に人手不足な産業（企業）なら、そうしてでも人材が欲しいと思うかもしれない。人手不足故に資金不足の可能性もあるが。

同時に、そうなると過剰な宣伝の危険性も考えなくてはいけない。事実を教えずに都合のいいことばかり挙げたどっかの学校のパンフレットになりはしないか、という不安は拭えない。

この間、ムッシュ（かまやつではない。吉田監督のことである）が、雑誌か何かで「大変とは大きな変化が起こることである」と書いていたのを見て妙に感心した。何かと「大変だ、大変だ」と言っているが、そうそう大きく変わることはないな、大変だと言い過ぎだと素直に思うところがあった。

以前から書いている「職業マンガで定職に」を見直すと、定職に就く率の低さの原因が若者だけにあるように見えるので、「企業側のコスト削減⇒フリーター増」ということも書いておく。あと、いつまでも年寄りが出しゃばって世代交代が進まないからやる気もナッシングと書いておけば、同年代に「よし」と言われるかな？