マナーは子供が守るもの

記入日:2004/02/29

日本の高校生のマナー意識が他の国より高いというアンケート結果を目にした。まぁ、公共マナーとしての意識の高さが行動に結びついているかという疑問はさておき、世間で言われているほど酷くはないと思っていいのではないだろうか。もしくは、他国が思った以上に悪いか……。

ちなみに、親や先生への反抗への罪悪感は他の国よりも低く、自分に満足していない数も最高だった。セクハラ教師に援助交際親父がよく目に付けば、反抗もしたくなるだろうが(怒りっぽいのは環境のせいだろう……)。

では、何故実際以上に「最近の若者」はよく見えないのか。それはよく見ていないこともあるが、夕方のニュース番組を見れば原因はわかる気がする。「最近の若者」はどうしようもないほどマナーがないという印象を与えるのに必死な作り手の意図が感じられるからだ。

この間、AERAだったかな? コンビニの前で座って食べている若者の写真が欲しいが為に「やらせ」をしたカメラマンがいた。この事件を例に挙げるまでもなく、必要以上に駄目な若者が強調されている。無論、火のないところに煙は立たないがやりすぎである。

こういったことを何故やるのか、それはそんな若者を見て「最近の子は」と優越感に浸りたい者がいるからではないだろうか。夕方のニュース番組でいかにも頭の悪そうな子に常識問題クイズのようなものをしていた。明らかに間違いを期待したものだ。そして、期待通り見当はずれの答えをするのでバカにしたナレーションが入る。

これを観て楽しむ視聴者がいるから続けられているのだろう。この時間帯の視聴者は主婦層が多いという。だとしたら、彼女らが求めていることになる。何故、彼女らこういうのを好むのだろう? 確かなことはわからないが人を見下す楽しみに近いことは想像に難くない。

自分より「バカ」がいることを喜んでいるのだろう。例え、同じ問題に自分が答えられなくても。逆にこの時間帯に、政治の常識クイズを主婦相手にやろうものなら苦情が殺到するのだろう。別に主婦がバカだと言っているのではない。ただ単に優越感に浸る番組になってしまったニュース番組が嘆かわしいと言っているのである。それが、世論に繋がってしまうからなおさら。

ちなみに、夜のニュース番組で政治関係のインタビューを受けた彼女らのおきまりの言葉がある。それが「主婦にもわかる政治を」である。自分の知っていることを知らない者はバカで、知らない事をするのは向こうが悪いというすごい論理だ。政治もわかりやすくする必要はあるが。

こんなことを書くのは主婦になって仕事を辞め、ずっと家にいるようになったら段々人間的にダメになっていったという人の話をよく見るからである。それと、夕方の番組をたまたま観て、あまりに呆れてしまったことを思い出したからである。

最後に、話を戻してマナーについて書く。世間の雰囲気として、「マナーは子供が守るもの」という風潮があるような気がする。また、いい歳になったら「ズルして得取れ、そうしないのは世間知らず」という空気もある。

まるで、ずっと男っ気がなくて門限を守る品行方正な娘を自慢していたかと思えば、結婚適齢期になったら「彼氏はいないの?」と急かすオバサンのような現象である。この辺の発想に、伝統的「本音と建前」が歪んだものを感じるのは私だけだろうか。

良識派

2/28の新聞の社説は大手三紙ともオウムだった。当然と言えば当然でもあるが、見比べてみると朝日の特異性が際だっている。冒頭から詩の引用をするのは他ではあまりお目にかかれない。

内容の方も国選弁護団の引き延ばし策について突っ込みが足りない。そして、最後はお得意の「(なぜ事件が起こったのか~)私たちも考え続けなければなるまい」である。そう思うのならば、松本サリン事件でメディア側が取った行動から考えては? と思ってしまう。

「今教団にいる人は他に居場所がない人たち、社会から排除するだけでは解決にはならない~」辺りは「良識派」らしくていいが、全体的に見ると何にでも理解を無理やりしめそうとする優等生みたいで気にくわない。

だからといって、過激な社説を展開することもある読売も好きにはなれない。その両者に挟まれて、一緒に読むと毎日の存在感がなくなるのもかわいそうな話である。

 

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