愚者の自己満足

記入日:2004/08/05

サッカー アジアカップで日本が中国を3‐1で下して連覇を成し遂げた。高まった半日感情むき出しのブーイングの中での勝利は大きなものだと素直に勝利を喜んでいる。一方で、日本選手団のバスを取り囲んだり、石を投げつけたりする中国サポーターは一部であり、まるで全体がそうであるかのように取り扱い、政治問題にした日本のマスコミへの批判も各地で聞いた。本当のところは、中国に行っていないのでわからないが、映像だけ見るとそうは思えない。むしろ、愛国主義教育を受けた若い世代が暴徒と化した気がする(中国国内の貧富の差なども要因に挙げられるが)。

スポーツといえば、プロ野球の再編が世間を賑わせている。近鉄とオリックスの合併に端を発し、近鉄を買うと言い出したライブドア、その申し出を断った近鉄と買収話を一蹴した巨人オーナー・渡辺恒雄氏の狙いである1リーグ制への移行。パ・リーグが更にもう1チーム減って10球団になるという話すら出てきたが、今日携帯サイトで確認したダイエーの売却話でその話が現実味を帯びてきた。

1リーグ制になれば、俗にドル箱と言われている巨人戦が減るセ・リーグの球団は困るだろうし、増えるパ・リーグには喜ばしいことだろう(TVの放映権を巡る話もあるが)。様々な思惑と策謀が渦巻く中、ファンを置き去りにしたオーナー会議などで事が決まることに憤りを見せる人々の意見を各所で見る。そんな彼らを逆なでするような「たかが選手」というナベツネ発言が波紋を呼んでいる。読売新聞には脅迫電話もあったらしい。

私としてはプロ野球がやっている時間帯に家にいないことや、TV自体あまり観なくなったこともあって興味が薄れつつあったので、これをきっかけにプロ野球から離れようかと思っているのでたいして気にもしていない。プロ野球やゲームを無駄と感じるというのは、前に少し書いたが。

ただ、その再編問題に関する意見で首をひねるものがある。前に書いた例のニュースや歴史に詳しい(えせ知識者レベルかもしれないが)若者の巨人の二軍をパ・リーグの球団にするというばかげた案がそれだ(参照:2004/05/24 歴史的正確性の追求)。彼は本気で提唱していたが、そんなことが出来るはずもない。第一、同一球団から発生した球団である。マネージメント元が同じなら、両者が対決した際には本家に勝たせようとするし、パ・リーグでのペナントで二軍が破れた場合には、優勝チームへの嫌がらせ(意図的なデッドボールなどによる戦力削り)を始めるのは想像に難くない。

それでも彼は主観的意見を絶対として物を言うのだ。読売の勧誘が一番酷いと言えば、どこも似たようなものだと言う。しかし、その根拠はなく単なる個人的主観に基づく意見を絶対化して言っているに過ぎない(自信を持って言うなら統計的データでも出して欲しいものだ)。知識があっても使えていない、それは判断のレベルにおいてあまりにも稚拙である。現実というものから激しく逸脱した自己満足のための知識と、圧倒的な経験不足からの判断では、その意見の価値も取るに足らないものだと言わざるを得ないことに彼は気づいてはいない。そこにオタク気質的他人を考えない自己満足を感じる。

学生とはそういうものなのかもしれない。なんだかんだ言っても、親の給料で養われている身である。一度たりとも、自分の稼ぎで生計を立て、暮らしたことがない者にはわからないことは感覚としてあるだろう。所詮、学生は就業のための準備期間である。人生の年輪に加えるほどの重みはないのだ。

何も知らないから言える

奇しくも私は小さな会社で働き、自分の仕事で会社が傾くようなポジションに立ってしまった経験がある。別に自慢しているわけではない。自慢できるほどの仕事でもないし、働きもしていない。ただ、大手企業の20代のように、大企業の末端で「大手ブランド」の看板のおかげで有利に仕事が出来、それを自分の能力と錯覚できるような、いや末端で上の陰口を言ってすましてられる人には得られない経験をしたとは思っている。だから、彼のようなアマちゃんを叩きつぶしたい衝動に駆られる。

これは経験者の性ではある。ここまで書いてきて何だが、そんな彼に対して文章を書くのも馬鹿らしくなってきた。「何も知らないから言える」相手に対し、真面目に書くのは馬鹿げていると言うか大人げない気がしてきた。「一度、自分の仕事で会社が傾く立場に立ってみろ」などとは言わないが、「休みの日まで嫌なヤツのことを考えることはない」と思えて仕方がない。

結局の所、前の会社の役に立たない面子にも言えるのだが、「馬鹿がどう思うが、人生において勝てばいいのだ」と思う。また、仕事において「童貞くさいヤツの言うことに従うのはバカくさい」と思うところもある。

プライベートというか、男性的魅力・女性的魅力のあるなしを仕事の能力に結びつけたくはないが、人間一個人としてというか大人として、最低限の男女間のやりとりがない者への尊敬の念の薄らぎは仕方がない気もする。

酒を呑んだ後で書いているせいか、どんどん話がずれてきているのでこの辺でやめておく。たかだか、ストレス解消のために書いている日記だし。

 

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