有益な戦争

記入日:2004/09/11

三年経った今でも色褪せないあの記憶、アメリカ同時多発テロから三年が経った。事件の日ということで、テレビでは特別番組が幾つか組まれていた。その中でテレ朝の疑惑を追及する番組とNHKのアルカイダ特集を観た。観たと言っても両方ともすべて観たわけではない。途中からちょこちょこ観た程度と言っていい。

まずは、テレ朝の方から。出演者が出演者だけに、硬派な番組にはなっていない。どことなく、水曜スペシャルの「藤岡弘、」アマゾン探検 幻の生物と遭遇! 的な匂いが漂うが、「ブッシュは戦争をするために同時多発テロをわざと見逃した」という前々からあった疑惑を比較的軽いノリで追求しているので、メディアが誇張する今時の若者(過激に走りやすい、ある程度この手の話に興味を持った者限定だが)には受け入れやすいかもしれない。

途中から観たので、最初の方はどうだったか知らないが、私的にはペンタゴン偽装墜落説以外は特に興味が湧かなかった。アメリカの政府関係者が石油やら軍事産業に縁が深いのは今更聞くまでもないことだし、飛行機の遠隔操作説は突飛すぎる。

そもそも、テロの犠牲者側に立ってブッシュ大統領を訴える弁護士が主張している話である。彼の国の弁護士といえば、勝てば何でもいいというイメージが拭えないので信用できる情報ソースとは思えない(陳腐なものを混ぜることで真実も覆い隠そうとする手法について出演者の誰かが言っていたが)。

先に挙げたペンタゴン偽装墜落説というのは、国防総省に旅客機が墜落したにしては破片が少ない、高温でも溶けないエンジン部分が見られない。衝突する瞬間の映像が存在しない。150人の職員が亡くなったと言っているが、墜落後に現場に駆けつけた消防隊員は「誰も死ななかった。あの部分は工事中で誰もいなかった」と証言している(後でそのことで怒られたらしい)といった不審な点から切り込んでいる。

墜落したとされる旅客機について、その周辺の管制官はこう証言している。突如、旅客機がレーダーから消えた後、国防総省付近から軍用機と思われる飛行物体が国防総省に向かって飛んでいった、と。その飛行物体の動きは旅客機には不可能なものだった。

また、それを裏付けるかのように国防総省の墜落現場付近の芝生は綺麗なままである。旅客機ほどの大きなものが低空飛行して進入するのは技術的に困難である上に、あれだけ大きなものが低空飛行で入ったら周辺にあった金網は倒れるだろうし、芝生も削り取られるだろうというのだ。そういったことから、あれは旅客機ではなく軍の無人偵察機だと言う人が出てきた。

では、墜落されたとされる旅客機は? という問いに対して、同時多発テロがあった日に墜落した別件の墜落事故が挙げられていた。ちなみに、そのニュースには続報がなかったので、意図的にメディアに圧力をかけて事件を握りつぶしたという憶測が流れる(意図的に墜落させたから?)。

そこまでして国防総省に軍用機を突っ込ませる理由が何処にあるのか、というところで「戦争を始める理由」としての国民感情が挙げられる。ペンタゴンがやられた=アメリカという国への挑戦 的な受け方があるのだという。だとしたら、逆にアルカイダ側への疑問が出てくる。

すべては利益から生じている

もし、彼らがやっていないテロだと言うのなら、何故あれはやっていないと言わないのか? 自分たちの手柄にしたい? それもあるだろう。しかし、最悪の予測から言えば、彼の国のトップと彼らが連んでいるからだ。その点について、政府がビンラディン首謀者説を出した後、ビンラディン家族をチャーター機で国外に逃がしていたことについて番組内で取り上げていたことを挙げなければなるまい。

彼らが連むことでの利益は何か? 政府側にしたらアルカイダは戦争の火付け役(戦争を起こしたい政府)、アルカイダ側にしたら資金的な援助相手という可能性もあるだろう。また、アメリカ政府にとって都合の悪いものを、テロをきっかけにしたやり方で消し去る、変えさせるということもあるのではないだろうか。世論調査、政治戦略のための影の実行役としてのテロ組織。すべては憶測の中だが、そこに利益があるのなら疑われても仕方がない。

そう、すべては利益から生じている。無益な戦いは誰もしない。はじめる誰かに利益があるから人は人と争うのだ。戦争被害者の顔をいくら見せられても、利益のために動く者の心を揺り動かすことは出来ないだろう。知らない誰かが100人死にますよと言うよりも、あなたの小指が無くなる可能性があると言う方が効果はある。

彼の国は肥大化した軍隊を持つ国である。その影響力を十二分に発揮するためには、何処かに軍事的脅威を存在させることで、守ってあげられるのはアメリカだけという用心棒的な存在価値の確立が疑われる。

獣のいない都会に罠が不要なように、軍事的脅威が存在しない世界に巨大な武力は必要ないのだ。巨大な武力を維持するだけの理由、維持のためにつぎ込んだ金の報いは、世界を守れる唯一無二のアメリカというスタンスを得なければ割に合わない。何も石油や軍事産業だけが利益ではない。

次にNHKの方。アルカイダの宣伝映像、それも陳腐なものに踊らされるイスラム系若者の危うさを感じずにはいられなかった。識字率の低さが原因とあったが、情報というものの見方が養われていないのだなと、教育の大切さを痛感した。そして、洗脳されていく彼らを見て、「これはオウムだ」と言いたくなった。他国の文化も宗教観も関係ない。あれはもうオウムである。

しかしまぁ、政府のやることはすべて陰謀がかっているような気がしないでもない。そこに政治家の利権が常に絡んでいるからだ。先日、政府が子どもを生みやすくしようという計画を有り難がっている新聞の読者投稿を見たが、それだって子どもが生まれることを前提に政策方針を決めている政府のためというところがある。

これはフリーターをなくそうということにも当てはまる。それはフリーターの将来を心配しての計画と言うよりは、低所得者となって払う税金も少ないフリーターが増加しては税収が減るから困るという理由からではないか。もちろん国の運営が苦しくなることもあるが、税収が減れば自分が動かせる金が減る、つまり利権が減るという下心も見え隠れする。

子どもを増やすのだって、増やさなければ十数年後には税金をよく払う世代がいなくなるからだ。現に、税金としての収入よりも社会保障として出て行く金の多い老人に費やすお金は減っている。介護保険、健康保険、年金の支給年齢……、より老後を生きにくくし、税負担を減らそうという意図を感じる。

 

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