テレビの演出&胃癌の診断

記入日:2004/12/02

今日、講義でテレビの演出&胃癌の診断について講師の意見を聞いた。まず、国語研究所の講師がテレビの演出に関して言ったことだが、たとえばトリビアの泉で母という字の中にある点々は、母乳の乳首を表しているということを説明する教授が顔を赤くしていたが、ああいうのはライトを浴びせてそうさせているのだという。しかも、学術的な説明を省くからただのスケベな教授に成り下がる。

そういった演出をテレビの場合はよくしている。自分もNHKのクローズアップ現代でそうされた。また、新聞の場合も記者が聞いた話を誤解したまま書いているという。マスコミなんて言うのは多かれ少なかれ、そんなものなのだろうが、情報というものが重要なこの現代社会においては嘆かざるを得ない現象である。

次に胃癌の診断について、統計学の講師の話である。教科書では「胃癌であるかもしれない可能性(胃癌の患者を見逃す可能性)」というのは、「胃癌ではない人に毎年検診させる可能性」よりも重要視されなければならないとある。それはそうだ、胃癌を見逃せば死に至るかもしれないのだ。それに比べて胃癌ではない人を検診したところで、検診した日が無駄だっただけで済む。

しかし、である。講師自ら体験談から言えば、それは まったくもって誤りだった。胃癌であると言われた後は茫然自失し、自殺まで考えたそうだ。ところが、半年後の検診でも、一年後の検診でも、陰性反応が出たのだ。それでも四年間検診に行き続けたが、結果的には胃癌ではないということが証明された。

講師は言う。「胃癌だと言われ、自殺まで考えたことを思うに、『「胃癌であるかもしれない可能性(胃癌の患者を見逃す可能性)」というのは、「胃癌ではない人に毎年検診させる可能性」よりも重要視されなければならない』なんてことは言えない」と(胃癌でなくなる人が千人のうち二・三人ということもあるかもしれないが)。

NHKの地震放送

新潟中越地震の際、電話が掛かってきているにもかかわらず、NHKのアナウンサーが役場職員にインタビューを続けたことが某誌で批判されていた。地震の際の電話なので緊急の用件かもしれないのに、自らの取材を優先させる態度は人にあらず、サルなみだと罵った人もいたとか。

そのことを今日の地震報道を見て思い出した。とある番組を観ていたところ、北海道で地震がありましたと画面が切り替わった。ボーっと眺めていたら、前回同様に役場職員にインタビューしている様子が映し出されたが、今回は電話が掛かってきたら「対応に当たってください」とインタビューを切り上げていた。先の一件と同じアナウンサーかは知らないが、ちょっと苦笑してしまった。これ以上不祥事を出したくないだろうな NHKは、と。

 

ランダム・ピックアップ