理想の仕事

記入日:2005/03/05

友人の家に行った。友人はいわゆる待機業務のため、家から遠く離れることはできなかったので、ずっと彼らの家で長話をしていた。とはいえ、夕方過ぎには近所の串揚げ屋に食べに行った。そこで、何度も聞いた彼の仕事の愚痴のようなものを聞いた。

何かを消費することで対価を得る、こんな仕事はいつ辞めてもいいという話だ。別に珍しい話でもない。何度と無く聞かされた話である。ただ、私にしてみれば羨ましい気もするのだ。普通に現役で大学に入って、普通に卒業とともに名のある企業に就職して働いている。そんな生き方に対し、破天荒な生き方を望むでもなくしてしまっている私などは「いいではないか」と言ってしまいたくなる。

冷静さを欠いたバッシングへの反論と好意的に受け止めた場合、それはある意味において的を得た発言である。坊主憎けりゃ袈裟まで憎いと言うのは冷静な物言いではない。そんなことは私が改めて書くほどでもないのだが、不意に知人が口にした正論を思い出したので書くことにする。

しかし、彼は辞めたいと言い、理想は古本屋のオヤジだという。ルーティンワークで一生終えていくので充分。仕事に生き甲斐は求めない、趣味に楽しみのすべてを求めていくのだと前々から彼は言っていた。その彼の理想を彼は叶えられないまま、今もその仕事をしている。それは無い物ねだりかもしれない。

そんな彼に、一度職を手放した私としては、なかなか次を見つけることは大変だと言わずにはいられない。難しいというのは、同じような業界に飛び込むのではなく、何もかもを新たに始める場合においてである。やめておけとは言いづらいが、せめて難しいとは友人として言わずにはいられない。どれが彼にとって良いかは知らないが。

 

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