神経質なジェンダー

記入日:2006/10/12

まちづくりに関する講義を受講しているのだが、その初回数回がジェンダー講座になってしまった。性差から考えるまちづくりとかいう名目でだ。その中で、資料として配られたのが第二次世界大戦に参加した兵士の文章だ。戦場に送られた兵士が、手を振って死地に送る女性を魔物のようだと語っている内容で、これを読んでの感想を求められた。

もうこの時点でやる気がなかったので、ディスカッションも適当に済ませた。グループ単位で話させて終わりだろうと思っていたからだ。ところが、話し合いで出た意見を聞き始めた。幸い、私のいたグループまでは回ってこなかったが、うんざりするような意見が幾つかあった。

この手の話になると必ず出てくる「誰々の方が悪い」だの、「こいつは間違っている」だのといった低レベルな感想のことである。まぁ、その当時の社会的背景にろくなアプローチもせずに感想を求めてくる講師も講師だと思うが、何ともお粗末な感じがしてならない。

そういった不備を指摘し、これだけの資料でこの問題を語るのはどうかといった意見も出た。当時がどういう時代だったのかについて、資料以上に言及した後にだ。

そういったことに対してだろうか、同じグループにいた現役生が「凄いね」みたいなことを呟いた。感嘆するのは構わないが、何も私や私と一緒にいた知人に、そういった知識がなかったとは思って欲しくない。「凄いね、私たちは何にも知らなくて、突っ込んだ話はしなかったわ……」と、一緒にひっくるめてほしくないという話だ。

少なくとも私が、突っ込んだ話し合いに持ち込まなかったのは、授業そのものがくだらないと感じていたからだ。ハッキリ言おう、あの講師の言うジェンダーに寒気すら覚えていたからだ。

お互いに注意し合って性差のない社会を、みたいなことを言うのは構わないが(意見に賛成はしないが、言論の自由は保障されて然るべきだから)、少しはそれがどんなことなのかを考えて欲しい気がする。あまりにも神経質すぎるのだ。

日々、そんなことをいちいち気にかけて暮らしていられるかってんだ。さまざまな経済効率や利潤を無視してまでも、そんな幻想に付き合っていられるほど現代人は暇じゃない。他にもっと重要な問題がある。第一、あの講師が言うそれでは、きちんとした性意識が持てずに、精神的な病にかかる人も出てくるのではないかとさえ思うのだ。調べましたか、その辺? そう言いたい90分だった。ああ、胸くそ悪い。

教師はいじめを解決出来るか

先週に引き続き、例の講義の話である。今回のお題は「いじめ」であり、討論テーマは「教師はいじめを解決出来るか」というものだった。この時点で、何をもって解決なのか、局地的な解決も含まれるのか、全体的な意味での解決なのかといった不明な点が多々あった。

結果的に言えば、講師からしたら、そんなことはどうでもよかったのだろう。こういった解決出来るか否かのお題、しかも教師にピンポイントを当てた挙げ句に、教師叩きに向かう世の中へのアンチテーゼを促し、いじめという状況を無くすだけではなく、そういったものを克服すべく生徒に自立を促すと繋げたかっただけなのだ。

要は先の言い方で教師中心の討論をさせ、いやミスリードしておきながら本質は違うぞと、自分はそこを掴んでいるのだと言いたくて仕方なかった訳だ。やってられない。

そんな意図に近いものを最初からわかっていたわけではないが、今日も今日とてやる気が起きてこなかった。根本的な問題として、今ここでこんな話をしたところで、一体全体何がどうなるっていうんだという気持ちがあるからだ。知ったところで何を変えられる?

仮に変えたとしても、それによって失うものの大きさに、それが見合うというのだろうかと思ってしまうのだ。また、現場も知らずに情報のみを相手に「ああだ、こうだ」言う大学講師に、いい加減うんざりしているところもある。

まぁ、そういった話はいい。実のところ、一番気に掛けているのは別にある。議論のまとめに入った際に、ある女性が「何をもって解決というのか」と発言した際に、私が「心の病みたいですね。何をもってして治ったというのか」と返すと、「(そういった病は)治る」と彼女が断言したところから始まった小議論にある。

続いて私が付け足したのは、「かんかい」という言葉である。その講義の講師が言っていた話を私が少ししてみると、その女性は講師の専門が統合失調症とうつであることに言及してきた。「だって、あの人はそれだけでしょ」みたいな言い回しだった。

私は先の精神保健の講師を擁護する義理もなく、この手の話に絶対の何かもないので「そういうのがご専門の方ですか?」と聞き、「ナースです」と言われたので「失礼しました」と言って終わった。何がどうなのか、そんなことにはもう興味が無くなってしまった。

些細な捉え方やニュアンスの違いによる誤解、そんな感じもするのだが今となっては気にすることでもない。今はただ、現役生だと思っていた女性が社会人だったことに驚く気持ちがあるだけだ。後はまぁ、これもよくあるのだが討論の議題から微妙にずれたことをベラベラ話してしまい、しかも若干意味不明気味になったことを反省しているだけだ。

 

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